社名 :
株式会社クリスプ
事業内容 :
「CRISP SALAD WORKS」の運営
資本金 :
1,529万円
設立 :
2014年
業種 :
ファストカジュアル
機能 :
PLATFORM APP
PLATFORM KIOSK
PLATFORM DATA
(WHITE LABEL)

PROFILE

今井 健二 さん

株式会社クリスプ
取締役副社長兼COO

大学卒業後、大手リース会社で営業職を経験。その後、飲食業を一生の仕事にすることを決意し、当時急成長のスペシャルティコーヒーショップで事業展開をすることから飲食業のキャリアをスタート。外資系のカフェやアイスクリームブランドのローンチと国内への店舗展開を担当。株式会社クリスプでは、取締役副社長に就任し、サラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」を運営。デジタルを駆使して「新しい飲食店の価値」をお客様に広げる取り組みを行っている。

生きたコミュニケーションがあふれる、
生きたレストランをつくりたい。

株式会社クリスプ

美味しくて満足できるサラダを一つひとつ手づくりで提供する、カスタムチョップドサラダ専門店のパイオニア「CRISP SALAD WORKS」を運営する株式会社クリスプ。PLATFORMは同社が飲食店を経営する中で抱えた課題を解決するために開発したサービスでもあります。2年間の運用実績をもとに、飲食店の現場を統括する視点からの想いを伺いました。

PLATFORMは、仕組みや理屈以上に「人」が本質です。

私たちが考える飲食店を運営する上での一番重要なポイントは「楽しく仕事ができているか」です。そして、それはPLATFORMの開発の原点でもあります。飲食業の現場では、売上や効率性ももちろん大切ですが、それよりも仕事の楽しさを重視して働いている人が多い印象です。私たちの「CRISP SALAD WORKS」でも、売上のために働くことと、スタッフが楽しくお客様の笑顔を見るために働くこと、どちらを軸に置く方が5年後10年後のお店にとって良いかを考え、後者を軸にしてきました。例えば、店長への声かけひとつにしても「売上を上げよう!」ではなく「一週間に一人でも二人でもお店のファンをつくろうよ!」と言います。すぐ結果はでなくても、それが数ヶ月後の中長期的な売上伸長にもつながりますし、何よりスタッフのモチベーションが上がります。お店で生き生き楽しく働くこと、いいチームで、いいサービスをつくることが、結果的にお店の好循環につながるという考えが基本です。

PLATFORMは、そんな私たちが店舗を運営していく中で実際に感じた「こんな仕組みがあればもっと楽しく仕事ができるのに」という想いを形にしたサービスなのです。

モバイルオーダーとセルフレジが、店舗でのコミュニケーションと時間の課題を解決してくれました。

PLATFORMアプリによるモバイルオーダーやセルフレジを約2年運用してきて、特に現場で感じる価値が二つあります。ひとつはお客様のデータが蓄積されていること。もうひとつはお客様に時間を効果的に使っていただけるようになったことです。これまでは、常連さんも初めての人も、どのお客様に対しても同じ距離感でのコミュニケーションをとりがちでした。お客様の個々の好みや状況の把握は、記憶では限界がありますしアナログだとスタッフ同士での情報共有も不確かです。PLATFORMは来店回数など注文時に得られるデータが蓄積されてくるので、それらの情報をもとに一歩踏み込んだ会話ができるようになったと思います。また時間に関しては、今までのように長い時間列に並ぶ必要がなくなり、お昼時などに時間のないお客様がより気軽に利用できるようになりました。

加えて、注文時のサラダのカスタマイズに時間をかける方も増えてきました。普通のレジだと、後ろのお客さんが気になってじっくり選びにくいですよね。セルフレジだと複数台置けることで、お客様は罪悪感なく時間をかけられますし、アプリのモバイルオーダーなら好きな時と場所でゆっくり悩めます。トッピングやドレッシングの組み合わせなど、注文を心置きなく楽しんでもらえる環境がつくれたこと、そして注文をお客様に委ねられることでスタッフがより接客に集中できるようになったことが大きいですね。

一週間に3回以上の、行きつけのお店になるために。

また、全体的にお客様のリピート率も上がりました。麻布十番、丸ノ内、六本木、虎ノ門といったオフィス立地では、全売上の40%はPLATFORMアプリからの注文です。そのうちの大半の方が3回以上利用され、その方々の離脱率は低い傾向にあります。ただそれはモバイルオーダーによる、気軽さや利便性が要因だとも思います。今後は、リピーターをもっと増やしていくために、例えばたった3回の利用でも自分の好みを常連のように理解しているような接客などが店舗でできれば、さらに離脱率は低くなるのではないでしょうか。蓄積されたデータを駆使すれば熟練の店員でなくてもそんな「人」の魅力が感じられる店舗体験がつくれるのもPLATFORMの魅力です。

今の飲食業界はまだモバイルオーダーやデータを活用する仕組みの過渡期で、お客様とお店双方のリテラシーが低く難しい部分もあります。ただ将来的には、ランチの忙しい時はアプリで注文、夜はスタッフとの会話も楽しめる店舗で注文するなど、モバイルオーダーと店舗の両軸で使い分けてもらえる。そんなお店づくりができるようになってくるのが理想です。

いち早く取り組み、課題を見つけて、
自分たちなりの成功の方程式をつくっていく。

PLATFORMのようなシステムはまだまだ飲食業界では新しい取り組みです。実際に運用していく上で様々な試行錯誤があるのも確かです。私たちの過去事例ですが、丸ノ内の店舗は完全キャッシュレスのお店で、アプリとセルフレジの利用率は50%、売上の数字だけ見ると一見すごく良い店舗でした。ただ、売上は伸びているけれど、スタッフが楽しく働けているかは疑問でした。当時のスタッフは、お客様への提供価値が単に「時間を短くする」だと誤解していたのです。モバイルオーダーによってお客様の無駄な待ち時間を減らすことは価値のひとつではありますが、本質ではありません。早くすればするほど注文が入ってくる。もっと早くしよう、もっと早くしようと違う達成感を満たすために、結果、疲弊してしまう。売上が伸びている分、会社としては安易に否定できないのも辛いです。

解決策としては、セルフだった商品の受け取りを手渡しに変えることで強制的にお客様とのタッチポイントをつくりました。効率を削っているので、売上的にはマイナスな部分もあります。けれど、そのポジションをつくることで、お客様との会話も生まれ、結果的には良い方向に向かっていると思います。路面店、オフィス、色々な店舗で事情は変わってきますが、効率と非効率のバランスの中で「働くことの楽しさ」を見つけたとき、それが成功の方程式になります。時と場所と場合に合わせて一番良いシステムの運用を考える、さらに言うと、お店のスタッフ全員が「考えることが楽しい」というカルチャーをつくっていくことが、デジタルをツールとして使いこなすためには必要だということが分かりました。

大切なのはあくまで、
人にしかできないサービスを追求していくこと。

2020年以降は、フード×ITがどんどん盛り上がってくると思います。大きなチェーン店やファストフードでも、本当は膨大なデータがあるのに使いこなせていないのが現状です。そんなデータを活用するサービスやモバイルオーダーも、今後さらに増えていくと思います。そんな中多くの飲食店でPLATFORMが選ばれるためにも、強調したいのはやはり「人」が本質のサービスということです。IT技術を導入すると、大多数の飲食店が効率を求めてしまうのではないでしょうか。

実際にシステムを導入し、お客様とのタッチポイントが減る中で、人のサービスに力を入れていこうとするのはすごく難しいことだと思います。だからこそ飲食店は「人にしかできないサービスを追求していく」という方針を貫くことが、今まで以上に遺産になり、5年10年で大きな差になってくると考えています。システムを使いこなし、そこに人の生きたコミュニケーションもある。お客様からも、それが「かっこいいよね」と思ってもらえるようにしていきたい。そして、PLATFORMを利用した店舗経営を通して、色々な業界の人が、自分たちも飲食業を変えていこう!と参入してきたくなるような土壌を整えたいです。もっとここで働きたいという人が増えるようになれば、またひとつ飲食業界が変わっていくと思います。その時に、リーディングカンパニーとして私たちクリスプが周りを牽引していく立ち位置を築くことができたら嬉しいですね。